医師から突然の余命宣告を受けた時、あなたなら限られた時間で何をしますか?
大切な人たちと過ごす、大好物なものを出来るだけ食べる、思い出の場所を訪れる……。人それぞれ、思い思いの過ごし方があると思います。それらと並行して、遺される方のために、何をすべきか考えてみましょう。
●何よりも遺言書を作ること
まず、もしあなたに多少なりとも財産がある場合、死後の相続に備えて遺言書を作成しておいてはいかがでしょうか。「いやいや、自分には大した価値のある財産なんて無いし、息子や娘たちも仲がいいからそんなことで揉める心配は無いよ。」と思われる方もいらっしゃることでしょう。
でも、現実は意外とそうでもないかもしれません。僕も仕事柄、遺産の揉め事に関与することが有りますが、多くの方が「遺産のことでこんなに揉めるとは思わなかった。」という感想を漏らされます。1年以上、揉め事が終わらないケースも有り得ます。遺言書さえ作成しておけば、お子さん方にそういった手間をかけることはおよそ無くなります。特に、作成に際し、弁護士等の専門家に関与させれば、ケースに応じて遺言者のニーズにこたえてくれることと思います。是非ご検討ください。
近年、『エンディングノート』という死後のことに備えてご自身の希望などを書き残しておくためのノートも販売されています。そこに書き込んだことが法的拘束力を有するものではありませんが、こういったものを活用することで、ご遺族らの負担を解消する方法もあります。
●借金がある場合は相続破棄を
借金などの債務が多い方については、ご遺族(相続人)に自分の死後に相続放棄の手続きを取るようにお伝えしておくことも大事なことでしょう。配偶者など、あなたの債務状況等に詳しい方がいればそこまで心配はいらないかもしれませんが、肉親とはいえ、借金など自分の債務に関することはなかなか話しづらい部分もあると思います。
もし、これを放っておくと、相続人が知らぬ間に相続を承認してしまい、あなたの債務を負ってしまう危険性があります。また、第一順位の相続人(通常はあなたからみてお子様)が相続放棄をした場合、次順位の相続人にお鉢が回ってくることになります。相続放棄をしたことは公開されませんので、仮にお子さんが相続放棄をした場合には、次に相続人となる方、さらにその先の方についても注意喚起をしておいてあげるのが親切だと思います。
●生命保険の受取人を知っていますか?
最後に、少し目先を変えたお話をします。生命保険に加入されている方も大勢いらっしゃると思います。あなたの生命保険について、死後に保険金の受取人となっている方を把握されていますか?ご自身で手続された方なら当然分かっているとは思いますが、お父さん方の中には奥さんに任せっきりでよく分かっていない方も、もしかしたらおられるのではないでしょうか。
家庭内にトラブルなどが無ければ特に大きな問題にはならないとは思いますが、生命保険金は得てして大きな金額になりがちです。きちんと確認しておいて、適切な方に受け取らせるように確認しておいた方が良いと思います。この記事を書いてみて、僕自身、余命宣告を受けたらどうするだろうなと考えてみました。そんな日が来ないに越したことはないのですが、遺される人のためを思って行動するということって、とても大きな愛だなあと思いました。
*著者:弁護士 河野晃 (水田法律相談所。兵庫県姫路市にて活動しております。弁護士生活5年目を迎えた若手(のつもり)弁護士です。弁護士というと敷居が高いと思われがちな職種ですが、お気軽にご相談していただけるような存在になりたいと思っています)
- 関連記事
-